読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

学術書の編集者になろう

30歳の学術書編集者が出版の世界について考えます

横のつながり

労働者よ、連帯せよ! ではありませんが、

他社の編集者とのつながりは貴重です。

とりわけ、若い編集者は少ないので、ときどき集まって、

自社の愚痴を言いながら飲むのは大切。

ゆるい会社からサラリーマンのような会社まで、

いろいろあるのがおもしろい。

出版は転職組が多いから、情報交換も活発。

経営者の人たちはこんなことしているなんて思っていないようですが、

組合なんてなくたって、いくらだって連帯してやる!

ゲンロン

東浩紀さんのつくった出版社。

ゲンロン生中継で手の内を曝け出し、

既存の人文系出版社に対する根本的な批判を展開する。

 

学術書の編集者としては参考になるところもあるけれど、

学術よりは一般書的な展開をしているようです。

分野が異なるのですが、動画などは、

自分の業界でもセミナーとして実施されている。

 

人文業界はたいへんですね。

 

 

重版未定

話題の本を読みました。

出版業界のいまをよく示している本かと思います。

とはいえ、一般書をつくる会社がモデルのようですので、

(ネットで著者の働いている会社もでていますね)

学術書とは進行の雰囲気などはだいぶ違います。

 

 

騎士団長殺し

120万部でスタートとうわさのこれ。

営業関係のひとに聞くと、

そこまで行かないのではないかとのこと。

初速が遅いらしいです。

 

発売前の増刷とか、発売直後の朝日新聞の書評とか、

売りたい気持ちはわかるけど、全然読者を向いていないように感じる。

 

なんというか、これで活字文化とか出版文化うんぬんされてもね。

新潮社さん、朝日新聞さん、にはがっかり。

 

 

 

一人あたりの売り上げは?

学術書出版社ではどれくらいの売り上げなら経営を維持していけるのか。

経営者のかたは日夜、この問題に取り組んでいるのだろう。

 

この前はなした学術書出版社のかたは、

書籍のみの会社であれば、一人あたり3000万かな、と仰っていた。

 

10人の会社なら3億の売り上げ、

20人の会社なら6億の売り上げ、

50人の会社なら15億の売り上げ、

100人の会社なら30億の売り上げ、ということになります。

 

2社の経験しかありませんが、どちらもこの水準は上回っていましたので、

ブラックにならないための水準としても妥当でしょう。

 

これを下回ってくると、年収が激減するなり、労働条件が悪化してくるなり、

影響がたくさんでてくると思います。

 

シンプルに考えられる点は学術出版のいいところですね。

雑誌をもつと、もう判りません。

 

 

 

期末の刊行ラッシュ

これ、どこもそうなのでしょうか?

僕の経験は少ないですが、2社ともそうです。

他社をみても、小さいところは基本的には同じように感じます。

 

でも、これ止めないといけないですよね。

刊行点数をたくさん出したって、売れないのに。

「とはいえ、出さないと決算が・・・・・・」

というインテリおじさんの声が聞こえてきそうです。

 

判っているのに止められない。

インテリの一番弱いところで、他のひとたちを批判できないですよね。

日本社会を嘆く前に、断裁続出で環境破壊をしないように!

今の会社は点数主義ではないので、ありがたいです。

 

噂では早川には1年に2冊の人もいるそうで・・・・・・

でもほんとうにしっかり売れる本をつくるなら、それが一番いいですね。

 

本の売り上げは1990年の3分の1になっている

『創』2017年2月号の新潮社の文庫部長への取材記事より。

新潮文庫の年間販売部数は、

1990年の4400万部をピークにして、

2000年には3000万部を、

2013年には2000万部を、

2016年には1600万部を下回ったという。

1990年からみると、ほぼ3分の1の売り上げとなっている。

 

これ、文庫だけじゃないですよね。

新書も3分の1になっているし、単行本も3分の1になっていると思われます。

当時なら1万部を超えていただろう書籍が、いまは初版2500部ですからね。

 

間違いなくさらに進む、この売り上げの減少。

学術書ももちろん逃れられません。

 

出版社の個性がなくなっているのも、これが大きな理由と思います。

本気の人以外はこの業界に入ってこないほうがいいかもしれませんね。

(どの業界も同じでしょうが・・・・・・)

(とはいえ、愉しいですけど)