読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

学術書の編集者になろう

30歳の学術書編集者が出版の世界について考えます

筑摩書房

筑摩書房が社員募集をしています。

募集情報からは会社のいろいろなことがわかりますね。

 

1人1年10冊程度つくるそうです。

じっくりつくれる環境ではなく、結構厳しいですね。

やっつけ的な新書が増えているのも、

こういうところに理由がありそうです。

 

モデル年収ものっています。

年収500万円/27歳
年収700万円/32歳

これは書籍のみの会社にしてはすばらしいですね。

金持ち父さんのおかげで、倒産から完全復活でしょう。

 

学術編集者として気になる点。

 

ちくまといえば、学芸文庫の最近の充実はすごい。

だけど、どこまで続くかな、という感じもします。

統一感がないんですね。

文庫でも5000部以下スタートかもしれません。

 

完全にペーパーバック出版社へと変貌したちくま。

創業者たちの思いとは全く異なるかたちに進化し続けている。

(むかしの全集や展望時代の筑摩が好きです。)

 

 

 

学術書の編集者の年収

最近、光文社の編集者の募集がありましたが、

30歳で年収500万円でしたね。

きっとそれまでの社員とは別の賃金体系を取り入れたのでしょう。

出版労連に加入している出版社であれば、

出版労連の資料でだいたい他社の給料もみえてきますね。

 

学術書だと別格は医学系。

それ以外は、ところどころを別として、

30歳400万前後というところじゃないでしょうか。

(ちなみに、講談社は本体とは別に、

講談社学芸クリエイトという小会社をつくっていますね。

メチエとか学術文庫を支えきれずに本体から切り離したのでしょう。

とはいえ、記憶では30歳500万だったような気がします。

ただし、事業請負だったような!)

 

出版社というところは、リベラル体質というのか、悪平等というのか、

年功賃金制をいまだに守っている会社が多いですね。

口だけで実際にたいして働かないおじさん・おばさん社員は、

倒産する前に退職できるのでそれでいいでしょうが、

若い人にとっては、倒産が間違いないところもあるとおもいます。

 

ぼくが以前いた会社を辞めたのもそういう理由が大きかった。

社で発言したって、おじさん・おばさんには届かない。

だから自分の手の届く範囲でできる会社に移った。

年収は30万ほど下がりましたが、実力制の会社なので、

これからがんばっていくつもりです。

年収1000万円超えが数人いるといった感じです。

 

学術書でもしっかり売れば、

稼げることは稼げるということですね。

 

出版社ランキング300からみえること

丸善ジュンク堂のベスト300が発表されました。

 

もちろん上位の方は、

われわれ学術書出版とは全く関係ありません!

 

でも、プラスマイナスをみていると、

いろいろわかりますね。

 

あー、やっぱりピケティ効果で、

ダントツにみすずの売上が落ちているな、とか、

あー、あそこの出版社、ツイッターでは、

よく話題になるのに、全然売れていないじゃん、とか。

 

 

四六判並製の罠

昔の学術書は基本的に上製でした。
しかもA5版が多かったです。
 
しかし、最近は、
学術書を四六判並製にしようという動きがみられます。
四六判宣言、なんていうフェアもときどきやっていますね。
 
たしかに、A5版に比べれば、手にもちやすい。
けれども、当然のことながら、分厚くなります。
 
四六判300頁で4000円とかいわれると、正直、萎えます。
200頁で3000円も厳しいですね。
 
東大出版会の「シリーズ日本の政治」。
いい本が揃っているとは思うのですが、
四六判並製の罠におちいっていないでしょうか。

職業としての学術書編集者

東大出版会の山田宗睦さんが書かれた

『職業としての編集者―知的生産としての編集』(三一新書・1979)

が好きです。

 

昔の編集者は偉かった。

というよりも、ロックやディドロをはじめとして、

編集者は学者のなかからでてきた。

青は藍より出でて藍よりも青し。

エディターは、まず学者としての訓練をへ、

そのうえで刻苦精励して個々の学者の知的機能をたばねる、

学際的能力を身につけたのである。

 

戦後すぐの日本の出版界もそうだった。

編集者がものを書き、発言をしていた。

 

こういった学術編集者はいま、どこへ?

あんまりいないように思います。

周りの編集者もあまり本を読んでいないのがさみしい。

 

 

全集の時代のおわり

明けましておめでとうございます。

年々、季節感を失っていく日々を過ごしています。

 

さて、今年の元旦広告を見ましたが、

大きな企画はありませんでしたね。

そんななか、みすず書房が『中井久夫集』全11巻を刊行します。

四六判336頁で3200円ですか。

印税3%としても、2000部くらいつくるのでしょうか。

 

中井久夫さんのファンが多いのはわかりますけど、きびしいですね。

最近はとんと全集を見なくなりましたが、ますますそうなるでしょう。

ちくまの文庫の全集というかたちが唯一ありえそうですが、

それでも、ニーチェとか宮沢賢治クラスでないと、きびしい。

 

となると、ぼくたちは断片的な記述からなにかを見つけていくしかない、

ということになるのかもしれません。

僕も全集をもっているのは、丸山真男集くらいです。

もちろん読んでいません。

 

もうひとり、揃えていてすべて読んでいる方がいますが、

それしかないかもしれない。

そういうわけで、タイトルのとおり、全集の時代のおわり、

ということになるわけです。

 

おひさしぶりです

転職してから,仕事が増えました。

そりゃそうです。

 

大きな会社では、印刷会社やデザイナーとやりとりしてくれる担当者がいて,

校正者もいて,といたせりつくせりでした。

 

小さい会社では,そういったこともぜんぶ自分でやります。

でも,結構いいです。

 

やっぱり,版面だってこだわりたいし,

装丁だってこだわりたい。

学術書だって,かっこよくなきゃいやだ!